【相模原】ダムカレー世界選手権、今月末までの投稿/リニア開通後の経済効果に


県内最多の7つ(ダム協会調べ)のダムを有する相模原市で新しい名物づくり―。同市内とダム周辺の飲食店にダムカレーを考案してもらい、中央新幹線(リニア)開通後の経済効果に拍車をかけようと、この夏から「ダムカレー世界選手権」を開催している。投票期間をきょうから31日までとし、SNS(インスタグラム、X)で一番反響があったものを「世界一」(優勝)とする。【2024年8月1日号掲載】

ダムカレー選手権
「相模原には名物がない」とするのは、市内経営者23人で組織した実行委員会。「市内では過去に多くの団体が名物の開発に取り組んできたが、あまり定着しなかった。大転換期であるリニア開通時、これといった名物がないまま多くの観光客を迎えることになる」と指摘する。

同市には、相模原沈殿池(南区下溝)を含め、相模ダムや城山ダムなどがあり、ダムが多いことに着目。周辺にはすでに、カレーのルーをダム湖、ごはんなどを堤体に見立てたダムカレーを提供している飲食店もある。発祥の地は黒部ダムがある富山県立山町だが、事前にダムカレーを提供する飲食店に問い合わせ「世界に誇れる名物に」との共通の思いを確認した。

カレーは日本人に親しみがある食べ物であり、外国人観光客の人気がもっともあるカレーが良いと判断した。「ルー、具材、造形など、こだわる部分は店によりさまざま。これらがリニア開通時に観光資源となるよう、事前にムーブメントを作っておく必要がある」(実行委)。

店舗の参加申し込みは2月1日~6月30日で終了した。元となるダムは市内に限らず、日本国内や外国が対象で、インバウンドにもマンガやアニメに登場する架空のダム(石垣や城壁など近い構造物)も可能とする。

審査はSNSに「#(ハッシュタグ)商品名」と「#ダムカレー世界選手権」が付いた投稿であれば、店舗が投稿したもの、客などが投稿したもののいずれでも対象となる。「いいね」や「リポスト」などの反応の多さを基準に審査する。「実際に食べたことがなくても、おいしそう、おもしろそうといった反応も評価になる。期間内に一番多くの共感を集めたダムカレーが優勝」とする。

SNSを活用するのは「ダムカレーの面白いネタや楽しさを発信していくことで市外での評価が高まれば、市内で賛同者や参加店舗が増える可能性もある」との理由。八木健芳実行委員長(ヤギリカーズ専務)は「SNSを使い地域をブランディングしていく団体はいまだ市内に存在していない。その先駆けとなり、市内唯一のSNSブランディングを展開し、直接的な経済効果を生む仕組みを作っていく」と話す。

「観光による経済効果に飲食は大きな影響がある」と自信を見せる八木実行委員長。「毎年開催し、参加店舗が徐々に増えていければ良い。ゆくゆくは相模原のダムカレーが有名になり、このようなイベントが無くても飲食店に集客できるというのが理想」と意気込む。

…続きはご購読の上、紙面でどうぞ。