【相模原市】城山にイタリア空手選手団など訪問/ニッケリーノ市副市長らと地域芸能で交流


イタリア・ニッケリーノ市のカールメン・ボニーノ副市長、空手指導者で同市市議のパオロ・アルロッティー氏、柔術家で市議のフィオドール・ペルゾーラ氏と、都内で開かれた空手の国際大会への出場を目的に来日した青少年空手選手ら計19人が、帰国前日の7月28日に相模原市緑区の久保沢地区(旧城山)を訪問。久保沢観音堂で久保澤囃子保存會の演技、東京五輪で自転車ロードレースのコースにもなった小倉橋などを見学した。【2024年8月10日号掲載】

久保沢
イタリア城山
相模原市議会からは大八木聡市議、小林孝康市議が参加。ボニーノ副市長らから友好の証として、ニッケリーノ市の市章が手渡された。

イタリア交換
アルロッティー氏は、来日した際、長期的に滞在できる活動拠点を探している。城山地域が都内などと行き来がしやすく、トレーニングやコンディショニングに適した環境などの条件に合うとして、以前から交流していた岡川智行さんに視察の依頼があった。

 

同区相原で鍼灸院を営む岡川さんは、アスリートの体の調子を整え、競技後の疲労回復やダメージケアなどを行う「コンディショニングトレーナー」として活動。国内の第一線で活動するプロスポーツ選手や、21年開催の東京五輪で外国選手団から依頼を受けるなどの実績がある。

 

久保沢を拠点に、地域コミュニティーの活性化に向けてスポーツ・文化活動の展開を図っているNPO法人城山スポーツ&カルチャークラブめいぷる(平栗文夫理事長)と連携した。平栗理事長は「外国からの観光を受け入れ、城山地域を幅広くアピールしたい。はじめは大変かもしれないが、地域にある資源を活用して背伸びをせずに取り組みたい」と本紙の取材に答えた。

 

一行は同日、日本工学院八王子専門学校も訪問し、同校で声優・演劇科の学生らと日本舞踊で交流した。同校出身の岡川さんは「学生にとっても、芸能のインバウンド需要を認識する良いきっかけになったのでは」と語った。

岡川さん提供

               岡川さん提供



 

ボニーノ副市長は「観音堂と囃子の神秘的なものと、小倉橋のイルミネーションの俗世的なものが見事にマッチし、忘れがたい感動と思い出をくれた」と話す。アルロッティー氏も「日本の伝統的な風習や習慣を見学できたことは、若い弟子たちにも意義ある経験となった」と目を輝かせた。

 

参加者から「観音堂に泊まりたい」との声もあった。岡川さんは意外な反応に、「城山地域には隠れた観光資源があり、リニア開業を待たずに久保沢の魅力で集客できるはず」と手応えを感じる。

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