【相模原市】財政健全化3年前倒しで達成/コロナ禍による減少想定より少なく


相模原市は8月27日、市議会議員全員が出席する全員協議会で、財政健全化に向けた「行財政構造改革プラン(第2期)」を3年前倒して2024年度末で終了することを公表した。市の財政見通しは、改革プラン策定当時と比べて改善しており、危機的状況を回避し、財政健全化の早期達成が見込まれる状況となったとしている。【2024年9月10日号掲載】

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市が20年に行った長期財政収支の試算は、21~27年までの7年間に、新規事業を計上しない条件でも累計816億円の歳出超過とした。改革プランは期間を第1期(21~23年度)、第2期(24~27年度)に分け、事業の選択と集中、公共施設の見直し、社会保障施策の見直しなどの改革に着手し、歳出超過を解消し持続可能な財政基盤を構築することを目的として策定。ことし4月から第2期が始まっていた。

市は、改革プラン第2期で27年度末までの4年間に累計280億円の歳出超過を見込んでいたが、24年度当初予算の編成や財政調整基金の残高増加により、毎年度の予算編成で解消する必要がある歳出超過額は約25億円まで減少。今後の予算編成で解消することが十分可能な水準と判断した。

市の財政状況は、歳入から歳出を引いた実質収支は、21年度は約246億円の大幅プラスだった。22年度収支は約160億円。23年度は71億円で推移している。市は新型コロナ感染症の影響で大幅な減少が見込まれていた市税収入が、国の支援策などの効果で減収幅が少なかったことや、コロナ禍で事業の歳出が抑制されたことなどによるものとしている。

市の貯金にあたる財政調整基金は、17年には約62億円まで減少していたが、23年度末の残高は約289億円まで増加。改革プラン第2期で最低限確保するとしている財政調整基金の額(標準財政規模の8%程度)は約148億円であり、活用可能額は約141億円となっている。市は財政規模に対し、十分な残高を確保しているとした。

また、比率が高いほど財政の自由度が少ないことを示す経常収支比率は、23年度の決算で96・0%で対前年度比0・9㌽改善。政令指定都市の平均は96・2%で、市は政令指定都市平均並みの数値に改善しているとした。

改革プラン第2期がことし4月にスタートしてわずか数カ月で、24年度末をもって終了するとしたことに対し、市議からは「市民にわかりやすく丁寧に説明する必要がある」などの意見が相次いだ。また「大きな議論となった南市民ホール(南区相模大野)や銀河アリーナ(中央区弥栄)の廃止について、再検証や今後の事業の見極めを厳しく求める市民の声があるが、どう考えているのか」「(4年間の)改革プランは実質的に1期のみで、性急に決断する必要があったのか」などの疑問の声があがった。

市は今後、都市経営の基本戦略「(仮称)さがみはら都市経営戦略」の策定に取り組むとした。9月に改革プランの今後の方向性について、市経営評価委員会への説明・意見聴取を行う。10月に市民説明会を開催し、都市経営戦略の策定方針を決定する。25年3月に改革プラン終了後、同年5月に都市経営戦略(案)を市議会に説明し、同年8月に都市経営戦略を策定するスケジュールを示した。

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