【町田市】町田相模原の人気パン店、若者ターゲットに生ドーナツの新業態


「JR横浜線と小田急線の町田駅があり、学生や若者が多く集まる街に新たな名物を」。町田市や相模原市で製パン業を営む「パン以上ケーキ未満」(町田市原町田6)は12日、JR町田駅前の原町田4丁目に、同社の新業態として生ドーナツ専門店「カドマル・ドーナツ」を本格開業した。2日目には長蛇の列をつくる盛況ぶりだった。【2024年9月20日号掲載】

原町田の新たな名物目当てに長蛇の列ができる開店2日目=同店提供

原町田の新たな名物目当てに長蛇の列ができる開店2日目=同店提供



同社が運営するベーカリーで使用する小麦粉と同じ北海道十勝産の高級品種で作り、「ふわふわでありながらもちっとした食感」が特徴。同店担当者は「町田の人が外に誇れる名物を目指している」と話す。

同社は相模原市南区古淵のサニーベッカリーや、町田市原町田のマチダベッカリーなどパンの製造販売を行ってきたが、客層は30~40代の子育て世代が中心。これまで取り込めなかった10~20代の若者にも「ゆめちから」のおいしさを知ってもらおうと、同品種の小麦粉を使ったスイーツの開発を3年前から始めた。

原町田の角地にオープンした店舗(プレオープン時)=本紙記者撮影

原町田の角地にオープンした店舗(プレオープン時)=本紙記者撮影



課題は製パンで培った生地作りのノウハウをどうドーナツに転換するか。通常の国産小麦粉に比べて5割ほど高い高級品種のゆめちからは、グルテンの含有量が多く弾力が強くなるためそのままでは製パンに向かないが、ドーナツは品種の良さを最大限に引き出せる使い方だという。

クリームとの相性に合わせてカボチャ、または黒糖とジャガイモを加えることでグルテンを調整する。天然酵母を使用し、15時間かけて発酵させることで、深い味わいと豊かな風味を実現した。

体にも心にも優しい「健全なおいしさ」を提供すると言い、素材本来のおいしさを引き出すため、生地に砂糖は加えない。カスタードやストロベリーなどのクリームは無添加素材のみを使用し、同社の工房で手作りしている。

ドーナツのラインアップは、生地のおいしさをそのまま味わえる「プレーン」や、平飼いの鶏から生まれた卵を使ったカスタードクリームの「カスタード」、小田原の老舗菓子店の小倉あんを使った「小倉」など10種類。価格帯は240~360円(取材時点)。スタッフのおすすめは、洋酒漬けのフルーツを生地に混ぜ込んだ「オリーボーレン」だという。

町田生ドーナツ
同店は、同地で30年以上親しまれ、ことし6月に閉店したクレープスタンド「クレープきっズ」の跡地を利用。担当者は「クレープきっズのように『あの角にあるドーナツ屋さんね』と町田駅前の名店のようになりたい」と意気込む。

今後は季節限定のメニューを扱うほか、町田市や相模原市などで採れる素材を使った商品なども企画したい考え。

テイクアウトのみ。営業時間は午前10時~午後7時(売り切れ次第終了)。

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