相模原市はこのほど、2026年中の中学校給食全員喫食の実現に向け、南部学校給食センター(仮称)=南区古淵5=と北部学校給食センター(仮称)=緑区大島=の整備、開業準備、維持管理・運営を行う事業の落札者を決めた。施設を建設し、施設完成直後に公共に所有権を移転し、民間事業者が維持管理・運営を行う「BTO方式」を採用している。【2024年10月10日号掲載】
東清掃事業所跡地に建設予定の南部学校給食センターは、「山路フードシステム」(大和市中央林間西3)を代表とするグループが落札した。約166億1469万円(1万円未満は切り捨て)。市内企業が中心となって地域の実情に合わせて取り組む体制やダイバーシティへの配慮などがなされた職場づくりが期待される点が評価された。
同センターは敷地約9800平方㍍に鉄骨造2階建て、延べ床面積約4600平方㍍で整備。1日約9千食の給食供給能力を備え、中央区や南区の市立中17校(大野北、共和、緑が丘、弥栄、由野台、相陽、大野南、相模台上鶴間、麻溝台、大野台、相武台、谷口、新町、若草、鵜野森、東林)に配送する計画。
県立相模原総合高校跡地に計画する北部学校給食センターは、「東洋食品」(東京都台東区)のグループが141億5252万円(同)で落札した。実績から得た知見を活用した多くの具体的な提案がなされており、学校給食の安全安心のための業務品質の確保や安定的な事業運営が期待できる点が評価された。
同センターは敷地約9800平方㍍に鉄骨造2階建て、延べ床面積約4300平方メートルで建設。約8千食の供給能力を備え、中央区や南区の市立中10校(大沢、旭、相原、内出、上溝、田名、清新、中央、上溝南、小山)に配送する予定。
給食センターの建設や維持管理、運営などは、民間の資金やノウハウを活用するPFI方式を導入。南北それぞれの入札には1グループが参加。11月の市議会で議決後、12月に事業契約を締結。年末から建設と開業準備に着手し、26年12月の給食実施を目指す。維持管理・運営は41年7月末まで。
なお、山路フードシステムを代表とするグループは大日本土木横浜営業所(横浜市中区)、綜企画設計横浜支店(同市西区)、日創設計(同市神奈川区)、マルゼン(東京都台東区)、ウイッツコミュニティ(相模原市中央区相模原4)、久野建設(同区田名)。東洋食品のグループは楠山設計(東京都千代田区)、東亜建設工業横浜支店(横浜市中区)、オーエンス横浜支店(同)、NECキャピタルソリューション神奈川支店(同市西区)、中島建設(相模原市南区松が枝町4)、入江建設(同市中央区小山2)、相模ガス(同区淵野辺3)、タニコー厚木営業所(厚木市幸町8)で構成する。(順不同)
給食センターで調理し、保温食缶に入れて各校に配送する「センター方式」を採用。給食は国の衛生管理基準で調理後2時間以内に喫食することが求められているため、配送時間を30分程度とする必要があり、配送予定の中学校の所在地や道路網を勘案し決定した。災害発生時には炊き出しを行い、必要な避難所などへの配送も可能な施設としての整備も想定するため、市は「市民全体にとって有益な施設となる」とする。