【衆院選2024】14区赤間氏当選、長友氏比例復活/20区大塚氏が当選、甘利氏は落選


衆院選ワッペン第50回衆院選は、10月27日に投開票が行われた。神奈川14区は、自由民主党・前職の赤間二郎氏(56)が7220票の僅差で選挙区を制し、6回目の当選を果たした。立憲民主党・新人の長友克洋氏(53)は比例復活で初当選を果たした。同20区は、立民・新人の大塚小百合氏(44)が自民・前職で党幹事長などを歴任した甘利明氏(75)を自民逆風のなか破り初当選。13区は立民・前職の太栄志(47)が2回目の当選で、自民・新人の丸田康一郎氏(39)の比例復活もはばんだ。【2024年11月10日号掲載】

 

 

神奈川14

5人が出馬した14区は自民の赤間氏と、前回2021年の衆院選で落選した立民の長友氏の2人が激しく争った。

後援者らと万歳で喜ぶ14区の赤間氏=自民=

後援者らと万歳で喜ぶ14区の赤間氏=自民=



27日の投開票日、相模原市役所近くの赤間事務所には、同市の本村賢太郎市長ら首長をはじめ、地元選出の自民党県議や市議のほか、多くの支援者が詰めかけた。翌日の午前0時45分頃に当選確実のテレビ報道が流れると、会場は歓声と拍手が起きた。

6選を果たした赤間氏は「超短期決戦、新しい区割り選挙区の中で勝つことができた。強い向かい風を感じながらの厳しい選挙。全国的に自民党は厳しいお叱りを受けた中で、自民党の再起動の先頭に立つ所存、決意。初心にかえって再起動へ向け共に歩んでほしい」とあいさつした。赤間氏の得票数は8万1428票で、得票率は39・6%だった。

左記2次元コードから赤間氏の当選動画が視聴できる。

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投開票日、緑区下九沢にある長友事務所には地元選出の立民県議や市議のほか、多くの後援者が詰めかけた。翌日午前0時45分頃、選挙区で赤間氏の当選確実が報じられると、会場からは大きなため息がもれた。しかし比例復活の可能性があるため、支援者の多くはそのまま比例南関東ブロックの結果を見守った。

悲願の結実をだるまの目入れで祝う長友氏

悲願の結実をだるまの目入れで祝う長友氏



翌日午前1時30分過ぎ、長友氏の比例当選の報道が流れると、会場は大きな歓声と拍手が起き、涙を流す支援者も多くいた。長友氏は「思い返せば3年前(衆院選)の午前4時半、比例でも落選が決まってから、今日にいたるまで多くの人に支えてもらった。選挙区は自分の力不足で結果を出せなかったが、ぎりぎり滑り込むことができた。国、地元で仕事をするのは当たり前。次は選挙区で押し上げていただけるよう、直ちに明日から気合を入れて取り組んでいく」と語った。

その後、長友氏のシンボルである「だるま」が登場。長友氏は市議初当選以来、選挙では支援者の手作りのだるまを使用しており、3年越しの目入れを行った。

比例南関東(神奈川・千葉・山梨/定員23)で、立民の獲得議席は6。長友氏の惜敗率は91・1%(前回は86%)で5番目で比例復活した。

左記2次元コードから長友氏の当選動画が視聴できる。

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日本維新の会・新人の熊坂崇徳氏(42)の得票数は1万9764(得票率9・6%)、参政党・新人の先沖仁志氏(48)は1万5090(同7・3%)、日本共産党・新人の中村圭氏(44)は1万4930(同7・3%)。3人は有効投票数の10分の1に届かず、供託金は没収となる。

神奈川20

3人が出馬した20区は立民・新人の大塚氏が約2万票の差をつけ選挙区を制した。自民・前職 の甘利氏が区割りに伴い、国替えをした新設の20区で敗北した。維新の会で元参議院議員の金子洋一氏(62)も届かなかった。

27日の投開票日、南区南台のサウザンロードにある大塚事務所には、座間市の佐藤弥斗市長や参議院議員、同党市議のほか支援者が詰めかけた。午後10時10分頃、テレビ報道で大塚氏の当選確実が報じられると、歓声と拍手がわき上がった。開票経過ですでに他候補をリードしていることが明らかになり、今か今かと待ち構えていたところに当確の知らせが入った。

20区内の市長や議員らが万歳で当選を祝った大塚氏陣営

20区内の市長や議員らが万歳で当選を祝った大塚氏陣営



小選挙区での勝利が確定した大塚氏は「(党公認候補予定者となってから)1年4カ月の間、たくさんの方に支えていただき、この日を迎えたこと、感謝しかない。これから国会議員としてしっかりと歩んでいく中で、まだまだみなさんの支えが必要なところ、たくさんあるかと思う。今日この日がスタートだと思い初心を忘れず、しっかりと地域の方々、そして掲げてきた子育て、福祉をしっかりと支えてまいりたい、そのような国政を行っていきたい。みなさんの声をしっかりと届けられるような誠実でまっとうな、そして不正のない政治を頑張っていきたい」と挨拶した。

左記2次元コードから大塚氏の当選動画が視聴できる。

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自民党の甘利氏は「73歳定年制」の規定により比例重複がなく、自民への逆風のなか退陣に追い込まれた。甘利氏は「当選13回目の新人」と精力的に選挙区をくまなく回ったが、浮動票獲得の広がりを欠いた。

落選確実の報を受け肩を落とす甘利氏㊧ら

落選確実の報を受け肩を落とす甘利氏㊧ら



午後10時10分頃、立民の大塚氏の当選確実が伝えられると、南区相模大野の選挙事務所に厳しい表情の甘利氏が現れ、支援者らに深々と頭を下げ「わたしの選挙史上もっとも厳しい選挙戦だった。懸命に支えてくれた関係者には感謝しかない。敗北はすべわたしの責任」と陳謝した。また今後の進退については「冷静に考え、関係者とも協議して判断したい」と言葉少なに述べるにとどめた。

県内最多の当選13回を誇り、党幹事長や経済産業相など政府の要職を務めた大物議員の落選に女性スタッフらが涙する印象的な幕切れでもあった。

甘利陣営の関係者は、「選挙中に候補者に対する有権者の反応は決して悪くなかったが、票に繋げっているのか読み切れない部分があった。選挙終盤、全国的に自民党への逆風の流れに飲み込まれてしまった」と述べた。

甘利氏は投開票日翌日、自身のSNSで「心配して後輩の議員がたくさん応援に駆けつけてくれた。不甲斐ない先輩で申し訳なく思っている。今後については関係者のみなさんと相談をさせていただいて判断してまいります」とコメントを出した。

維新の会の金子氏は、元参議院議員で旧民主党県連代表を務めたが、2016年の参院選に旧民進党から出馬し落選。今回は維新の会から衆院選に出馬したが、有権者へ浸透しきれなかった。

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