相模原市が緑区の橋本駅周辺整備事業で計画する新設道路「大西大通り線」を巡り、市議会建設委員会(折笠正治委員長)は6日、大西大通りを市道認定する議案を賛成総員で可決した。立ち退きを迫られる住民有志が提出していた市道認定を可決しないことを求める陳情は、賛成なしで不採択となった。議案は市議会3月定例会最終日の25日の本会議で可決される見通し。【2025年3月10日号掲載】
採決では折笠委員長以外の委員8人中、自民2人、さがみみらい2人、公明2人、立民、維新の各1人の全員が賛成した。
大西大通り線は、リニア中央新幹線の「神奈川県駅(仮称)」が建設される橋本駅南口地区と圏央道の相模原インターチェンジ(IC)へと繋がる橋本相原線を結ぶ2車線の新設道路。リニアトンネル上の緑区西橋本の住宅街を約1㌔に渡り横断し、住宅など約100棟、約200人の地権者が立ち退きの対象となっている。
市は道路用地取得のための測量を進めていきたい考えだが、地権者には「市の測量に協力しない」などの反対運動も起こっている。
市は同線を「第1工区」と「後続工区」に分け、国道16号から西橋本2丁目交差点までの第1工区は「2024年夏ごろに事業認可(県知事の認可)を取得し事業を進める」としていたが、その後、「ことし4月以降の申請」に見送っている。今回の議案は「事業認可」ではなく「市道認定」で、住民有志らは25年1月の住民説明会で「第1工区と後続工区の路線全体を一括で市道認定すると突然、説明された」と憤る。
市は委員会で「後続工区の地権者から相続やライフサイクルの変化により、市に買取りの要望があったため、これに対応できるようにするため。また、新たな宅地開発などを防止する必要があり、土地利用の制限を設けることで路線整備を確実なものにするため」と説明した。市道認定された場合、住民は住宅工事などで市の許可が必要になるなどの制限を受けることになる。
公明の南波秀樹市議は「事業に理解を示している住民はどの位いるのか」と質問。市は「第1工区は約半数の地権者の協力で測量を進めている。後続工区は今後、理解を得ながら測量を行っていく」と答えた。南波市議は「測量は半数程度しか協力を得られていない。反対の陳情が提出されていることを重く受け止め誠実な対応をしてほしい」と述べた。スケジュールについて市は「第1工区は33年3月末の完成を目指し、後続工区は25年度から用地測量を実施する予定」とした。
立民の臼井貴彦市議は「立退きとなる住民で高齢者は代替地を不安視する声が多い」と指摘。市は「住民の代替地となる移転先の支援などの検討を進める」とした。
自民の阿部善博市議は「十分な準備が尽くされてきたのか疑問が残る。せっそくな感じを受ける。市民理解を含め、本来であれば道路整備など、先んじてまちづくりを進めておくべきであった」と苦言を呈した。
住民有志らは2月28日、市役所で市道認定を可決しないことを求める陳情について会見を開いた。住民らは「名古屋駅は地上200㍍以上の高層建物の下にリニア駅ができる。品川駅も駅ビルと東海道新幹線の直下にリニア駅ができる。最初から都市計画をしておけば、トンネルの上に建物は建てられたはず。駅舎を含めトンネルの上を道路にする必要はなかったはず」と憤る。

議案を可決しないよう求める住民有志ら
住民有志らは委員会採決をうけ同日、3月議会開催中に、本村賢太郎市長と担当課に対面での質問会を求めた。