東京建物(東京都中央区)が、2022年10月末に閉店した旧コナミスポーツクラブ相模大野店跡(相模原市南区南台3)で開発していた〝地域密着型〟とする商業施設「minanoba(ミナノバ)相模原」(2階建て、延べ床約8646平方㍍)が、5日に開業した。小田急相模原駅と相模大野駅の間に位置し、周辺に住宅は多いがスーパーマーケットが少なく、子育て世代から高齢者まで幅広い世代を取り込めると見込む。【2025年3月10日号掲載】

行幸道路沿いに開業した近隣型商業施設
計画では半径約2㌔㍍を商圏と想定し、小田急相模原駅から徒歩10分、県道町田厚木線(行幸道路)沿いに位置する交通利便性の高い立地。1㌔圏で4万5千人、2㌔圏で16万8千人とし、2人以上の世帯が半数を占め30~40代が多い。同社は「周辺の開発も進んでおり、幅広い世代が暮らすエリア」と判断した。
半径1㌔圏内にスーパーマーケットが4店舗と競合が少なく小田急相模大野駅や同相模原駅周辺に集中しているため、同施設は駅からやや離れた立地を選んだ。県道には住宅地が多く、バスや自動車、自転車などの利用者を獲得したい考え。
売り場面積は延べ3533平方㍍。1階にはスーパーマーケットやドラッグストアのほか、アイスクリーム専門店などが入居する。2階には総合衣料店や100円ショップ、寿司レストラン、めがね専門店、英会話教室などが入った。今春以降、1階に歯科院、2階には内科などの3科によるクリニックモールが開設する予定。
駐車場は地上と屋上を合わせて188台分と障害者用4台、自転車駐車場198台分を整備。ピーク時の1時間当たりの自動車来店数を244台と想定する。特に世帯数が多い、国道16号や相模大野駅方面からのアクセスがもっとも多い114台(構成比50・8%)とみており、交通誘導員を配置するなどして安全に配慮する。
新たに展開する同商業施設シリーズでは、地域のニーズに合わせたスーパーマーケット・飲食・物販・サービス店舗を集積し、近隣住民にワンストップで便利な体験を提供することを企図している。毎日気軽に訪れることができる「暮らしのインフラ」をコンセプトに、「地域の利便性を高め、街と共に育ち、愛される施設を目指す」(同社)としている。
同施設は、日本ショッピングセンター協会が定める商業施設の4つの区分のうち、最小規模の約3千~1万5千平方㍍で約5㌔以内を1次商圏とする「NSC(近隣型商業施設)」。東京建物はシニアも徒歩で来店できる地元商圏でのワンストップショッピングニーズを見込み、「NSCに開発の余地とニーズがある」と考えた。
最終的には投資家に売却する短期開店事業を前提とする。NSCは低層・小規模であるため、ホテルなど他のアセット(資産価値の高い不動産)に比べて工期が短く、資材価格高騰のリスクコントロールもしやすい点がメリットだという。同社は「生活者の来店頻度が高く、安定的な賃料が見込め、売却の際も投資家から評価がされやすい」と想定する。
スマートフォンのアプリと無線通信で連動し、ブザー音や音声での案内や、開閉する時間を調整できる自動ドアも導入。車いす使用者や視覚障害者など通行者の属性を把握し、あらかじめ設定した内容で支援する(Youtubeに動画)。
2号物件は埼玉県川口市で26年に開業する予定。相模原の出店地と同様にベッドタウンとして発展しているエリアで、駅から近く、地域の生活基盤である県道に挟まれた住宅地に計画している。
東京建物商業事業部の長谷隆史部長は「毎年1件以上の開発を目指す。出店候補地は、多くの後背人口を有する首都圏郊外、適地があれば政令指定都市周辺も出店したい」と意欲をみせた。