【関東】運輸局と地方整備局、「江戸街道」テーマに地域間連携/国際園芸博契機に観光増進へ


関東運輸局と関東地方整備局は12日、横浜第2合同庁舎(横浜市中区)で観光ビジョン推進関東ブロック戦略会議を開いた。関東運輸局が「江戸街道」を統一テーマに地域間連携を推進する「江戸街道プロジェクト」の取り組みと、2027年に横浜市瀬谷区・旭区で開催する予定の「GREEN×EXPO2027(国際園芸博覧会)」で連携する取り組みについて説明があった。【2025年3月20日号掲載】

出席した相模原市観光政策課臼井担当課長(左から5人目)とさいさつする関東運輸局の藤田局長

出席した相模原市観光政策課臼井担当課長(左から5人目)とさいさつする関東運輸局の藤田局長



同会議は2局のほか、国の各機関や関東圏内の1都8県(茨城、栃木、群馬、埼玉、神奈川、千葉、東京、神奈川、山梨、長野)、政令指定都市(相模原市、横浜市、川崎市、さいたま市、千葉市)、経済・観光関連団体などで構成。相模原市から市長公室観光政策課の臼井秀治担当課長が出席した。

国が16年3月に策定した「明日の日本を支える観光ビジョン」掲載施策の具体的な取り組みを図るべく、各構成メンバーの取り組みに関する情報共有および幅広い関係省庁や多数の関係者との連絡・調整を目的として設置した。今回の会議では、「江戸街道プロジェクト」の取り組みや、各課題への構成員の取り組み状況などが話し合われた。

江戸街道プロジェクトは、関東運輸局が22年度から主導している。日本橋を起点とする五街道とその枝道として整備された脇往還を「江戸街道」とし、街道沿いに点在する歴史的観光資源をはじめ食や文化などのコンテンツを統一的にブランディングすることで効果的に国内外に発信し、誘客を促進しようという試み。

各地域の街道観光の啓発や、機運の醸成を通じて、広域関東として地域の特性を生かしながら、観光地域づくり法人(DMO)などが地域において稼げる仕組みをつくる。相模原市内を通る甲州街道(現国道20号)もプロジェクトに含まれ、県内で唯一建物が現存する本陣「小原宿本陣」(緑区小原)や、相模ダム周辺の飲食店で提供される「相模ダムカレー」などが取り上げられている。

同博覧会は27年3月19日から9月26日まで横浜市内の旧上瀬谷通信施設跡地で開催し、70の国や国際機関などから約1500万人の来場が見込まれるため、観光の起爆剤としても効果が期待される。インバウンドの周遊観光を促す仕掛けとして、日本独自の四季折々の花や多様な自然などの地域資源である「GREEN」をテーマとした体験型観光で地域間を繋げるモデルルートの調査・検証を行う。

江戸街道プロジェクトと連携し、地域関係者が主体となった持続的な地域間連携を図る。GREENを題材とした体験を主軸としながらも、地域の文化や歴史を融合させることでより深い観光体験を提供できるとの考え。各コンテンツの背景や経緯は新たな学びや気づき、地域の魅力を伝えることになるとする。

観光庁の調査によると、24年の訪日外国人旅行者数は3687万人で、コロナ禍前の19年比で16%増。消費額は約8・1兆円、同69%増で、1人当たりの旅行消費単価も22万7千円で同43%増。いずれも過去最高となった。

関東運輸局の藤田礼子局長は、冒頭のあいさつで「宿泊業での人手不足やオーバーツーリズムへの対策など新たな課題に直面している。関東圏内に経済効果を波及するためには、地方誘客の取り組みをしっかり進める必要がある」と話し、関係官庁や官民連携の重要性を強調した。

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