【相模原】市、JR東日本や大成建設らと道路用建材の試作品開発に成功/ごみ処理時の副産物を活用


ごみ処理時と金属製品製造時に排出される副産物を活用した国内初の配合で、環境負荷低減に寄与する新たな環境配慮コンクリートの共同研究を進めている相模原市と民間大手2社はこのほど、道路用建材の試作品の開発に成功した。従来のコンクリートと同等の強度と作業性を確保していながら、CO2排出量を約8割削減し、副産物利用料を約8倍に拡大する。【2025年4月1日号掲載】

L字側溝
中央新幹線神奈川県駅(仮称)を設置する相模原市では、従来からごみの減量化・資源化を進めている。市内で発生したごみの処理過程で生成する溶融スラグを公共工事に有効利用することで、資源循環を促進し最終処分場の延命化に取り組んでいた。

開発したコンクリートは、従来のコンクリートに使うセメントの代わりに製鉄時の副産物である高炉スラグと天然砂の代わりに溶融スラグを有効利用。さらに新幹線車両などに使われるアルミニウム製品の製造時に発生する副産物「水酸化アルミニウム」を刺激材として添加する。

試作したのは、車道と歩道の境界に設置するコンクリート製排水設備「L字型側溝」。試作品の製造には市内の興建産業神奈川工場(中央区田名塩田4)が協力した。

今後は製品化に向けて、耐久性などを検証するとともに、将来のまちづくりにおける同製品の活用方法を検討していく。

新たな環境配慮コンクリートの開発を目指す共同研究に参加しているのは、イノベーション創出促進拠点「FUN+TECH LABO」(Fラボ)のオフィス利用企業の1社で、大手建設業の大成建設。「T―eコンクリート」の名称で開発・社会実装を進めているシリーズで、セメントを使用しない「セメント・ゼロ型」の技術を応用した。

すでに社会実装が進むセメント・ゼロ型のT―eコンクリートは、高炉スラグを使う点では新しい環境配慮型コンクリートと同じだが、天然砂を使いCO2排出量が1立方㍍あたり約65㌔㌘(従来比75%削減)、副産物利用量約330㌔㌘(同2倍)だった。

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