建て替えや大規模修繕などが必要となる老朽化マンションが増えている。しかし、いざ建て替えとなると住民の合意が必要で時間もかかる。そうした住民の支援を目的に、全国初の一般社団法人「老朽化マンション対策支援協会」が横浜市に設立された。(編集委員・小宮山光賢)
新しい協会を立ち上げたのは、耐震偽装が発覚した藤沢のマンションの建て替えに尽力した同マンションの元管理組合代表の鈴木元生さん。
「建て替えには、各家庭の事情もありそれぞれに合う選択肢を用意し、住民が夢をもてるように合意形成をするのが重要」と同協会の代表理事に就任した鈴木さんは強調する。
耐震偽装、姉歯事件と聞けばまだ記憶に残っている人も多い。2005年に発覚し、次々に耐震偽装されたマンション、ホテルなどの建物が突然、取り壊されるなど大きな社会問題ともなった。
JR藤沢駅近くの新築マンション、「グランドステージ藤沢」もその一つで、偽装が分かり、入居から二週間もしないうちに退去、住民は文字通り露頭に迷うことに。そのマンションを取り壊し、新しく一部賃貸という方式を取り入れたマンションに生まれ変わった。(2013年9月10日号掲載)