相模原商工会議所・建設業部会(谷津弘部会長=谷津建設社長)は12日、市立産業会館(中央区中央)で、「なぜ本邦建設業は海外進出ができないのか」と題した経営講演会を開いた。講師は総合建設コンサルタント業、オリエンタルコンサルタンツ(東京都渋谷区)の廣谷彰彦会長。国内建設業界が抱える課題などを深く解説した。廣谷会長は建設業が国際競争で劣勢になった原因として「国際契約慣行への不慣れ、ローリスクを優先させる企業経営の性格もある」などと話していた。(千葉 龍太/2014年2月20日号掲載)
廣谷会長によると、2000年を境に、世界の建設業界の勢力図は一変したという。
これまで三菱重工業、清水建設、大成建設がトップ3を独占していたものの、現在は中国や欧州などの海外企業が逆転。日本企業は大きく順位を下げている。
廣谷会長は、「例えば、欧州の場合、古くからインフラが整備されているので、欧州企業は海外に活路を求めた」と説明。それに対し、「日本企業は国内需要の停滞期だけ海外を攻めるスタンスだった。M&Aにも消極的だった」と分析した。