相模原市議会はこのほど、大都市制度に関する特別委員会(阿部善博委員長)を開き、2010年4月の政令指定都市移行から3年間の総括を行った。
現在開会中の3月定例会議で議会に報告される。議会において、政令市移行の総括は全国に例がないという。
特別委は1月に3日間開かれた。移行前シミュレーションと、その後の現状について検証が行われ、財政収支見込みと、決算に大きな開きがあることが明らかになった。
移行前に公表されていた財政シミュレーションでは、単年度の歳入・歳出ともに169億円だったのに対し、12年度決算では、歳出が約191・5億円だった。
歳出増は、県からの移譲事務経費が見込みより多く掛かったことや、さがみ縦貫道路の国直轄事業経費が見込みより増加したことなどが要因。
一方で、国県道維持経費は、移行前は年間22億円を計上していたのに対し、12年度決算では約9・4億円で見込みの半分以下だった。
市側は「実際にはそれほどの金額にならなかった」と説明。しかし、委員からは「事業が市に移行したことで、国県道の整備に滞りがでている」との指摘があった。
阿部委員長は「議案の審査ではないので難しい面があったが、実情を把握したことで、さまざまな意見が出た。今後の議論につなげていきたい」と話していた。(2014年3月1日号掲載)