ベンチャー企業の青電舎(相模原市緑区西橋本)は、スマートフォン(多機能携帯電話)などのタッチパネル向に、指先にボタンを押したような感覚を特殊な振動で伝える装置を開発した。押しても感触がなかったタッチパネルの悩みを解消するという。 (船木 正尋/2014年4月1日号掲載)
特殊加工された形状記憶合金に電力を流すことで、パネル部分を直接振動。これが指先に伝わることで、クリック感覚を再現できるという。
価格は、16~18万円。今年度は3000万円の販売を見込む。
開発のきっかけは、タブレット端末やスマートフォンはボタンを押す手応えがないためミスタッチが多い。それをなくそうと研究に挑んだという。
搭載事例としてはスマートフォンや自動車のスイッチ部分を検討している。
また、大手自動車メーカーや国外のスマートフォンメーカーなどからの引き合いもあるという。現在は、ミネベア(長野県)から発売されているタッチパネル式キーボードに同装置が採用されている。
同社の権藤雅彦社長は、「スマートフォンだけではなく、さまざまな機器にも応用できる。今後は、世界の企業を相手に『クリック感発生装置』を提案していきたい」と話していた。