住宅業界では、90年代半ば以降続く新築市場の縮小に伴い、リフォーム市場が徐々に脚光を浴びてきた。
今後も少子高齢化で人口減少が進み、空き家が増加することで、新築市場はさらに縮小していく。一方リフォーム市場は、緩やかな拡大傾向と見込まれている。
こうした情勢なら、リフォーム業者が増え、競争が激化するのは当然。だからこそ、「誰でもできることをやっていては商売にならない」と話すのは、コダマハウジング(相模原市南区大野台3の32の2)の児玉龍文社長だ。
リフォームといえば、増改築や先進設備機器を導入したキッチン、トイレの改装等を売りにする業者が多い中、同社が得意とするのは窓まわり。とりわけエコガラスなどを使った断熱、結露防止対策に自信を持つ。
そもそも児玉社長は、窓まわりの様々なメンテナンス、修理を請け負うプロとして35年のキャリアを数える。
建物は永年仕様でも、ガラス戸や網戸、サッシ窓の戸車やガラスを押さえるビートなど、窓まわりの建材は経年劣化に応じた部品交換が必要となる。ところが、これらは家電品と同様、新製品が出れば従来品は廃番となり、補修部品もなくなってしまう。
これに対し児玉社長は、部品探しにも徹底的に取り組み、数々の難題を解決してきた。あらゆるメーカーを対象に純正品を探す。それがままならなければ代替品を探す。あるいは特注する。
難度が高い案件ほど解決した時の顧客の喜びは大きく、苦労が報われる。
「リフォーム業者は多々あるが、窓まわりを苦手とするところは多い」と児玉社長。
また、自ら営業、施工にあたる同社長は、新たなニーズを探るべく顧客の声に真摯に耳を傾ける。そんな地道な取り組みをもとに20年ほど前から展開し、同社の基幹事業に成長しているが、結露防止製品の販売・施工である。
大手メーカー製エコガラスの施工代理業をベースに、豊富な現場経験で培った独自のノウハウによりコストパフォーマンスに優れるオリジナル商品の開発にも取り組むようにもなった。
一つは、既設の窓ガラスの内側に簡単な施工で取り付けるだけで断熱、結露防止効果の高い二重ガラス構造にできるオリジナル製品「どこでもペアー」(08年実用新案登録)。そしてもう一つ、アルミサッシ枠に貼り付けるだけで高い結露防止効果が得られるカバー「結露防止クン」(同13年)がある。
いずれもメンテ、修理業務に付随したオプショナルサービスとして提供し好評を得てきた。安価でDIY作業が容易な「結露防止クン」については年内の店頭販売実現に向け、現在ホームセンター等と商談を行っている。
「アイデアはまだまだある」
現場第一主義の児玉社長だけに、今後の新製品も要注目だ。(矢吹 彰/2014年10月10日号掲載)