相模原市内、「アートと水」シンポジウム/鈴木國男氏ら意見交換


「潤水都市」の未来について話合う鈴木氏(左から2人目)ら

「潤水都市」の未来について話合う鈴木氏(左から2人目)ら


 水を巡るイメージや環境問題など「潤水都市の未来」を話し合うシンポジウム「潤水都市さがみはらにアートの力を!」が10月13日、ハシモトコーポレーション(相模原市中央区宮下)で開催された。同市の将来性について、〝アート〟と〝水〟の2つのキーワードを交えて意見を交換した。
 同シンポジウム(相模経済新聞社など後援)には、日本画家の鈴木國男氏をはじめ、林利夫市渉外部参事や斉藤奈美市立環境情報センター事務局長、大槻研市議が出席。鈴木氏の画展「水の世界」の最終日を締めくくる重要イベントと位置づけた。
 鈴木氏は、相模原市に住み続ける理由について「〝潤水都市〟というキャッチフレーズが自分の世界観とマッチした。これからも、〝水〟をテーマに創作活動を続けていく」と話す。
 相模原市の発展は、圏央道の開通や工業団地の造成に加え、2027年に開通予定のリニア新幹線が牽引すると言われる。それを否定した林氏は「われわれが目指す潤いは、〝心の豊かさ〟だ」と提言した。
 「世界では干ばつが続く国もあり、国家間・民族間の対立も生む。近い将来、〝水戦争〟も起こりうる」と警告する斉藤氏。一方で「環境問題は人間が起こしたのだから、人の手で解決できると信じている」と話した。
 人間が現在の技術で利用できる水は、地球上にわずか0・03%しかないという。
 大槻市議は「水を守っていくことが政治の原始的な役目だ」と話した。北海道や埼玉県の一部で、水源の山が中国や韓国の資本に買収された事件を紹介。また、水が石油より希少な国もある中、「さがみの潤水」ブランドを世界へプロモーションする案を打ち出した。
 当日は台風19号の影響で荒天に見舞われたが、用意された席を上回る聴講者数となった。聴講者からは、アートでまちを盛り上げようとする積極的な意見も見られた。
 主催の相鑑舎の橋本欽至代表は「市内に絵画や音楽、書などが溢れ、いつでもアートを鑑賞できるまちを目指したい」と話していた。(2014年11月1日号掲載)

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