MRJ(三菱リジョーナル・ジェット)の登場で国産航空機が注目されるなか、「航空機産業フォーラム」がこのほど、海老名市内の県産業技術センターで開催された。航空機産業の課題や方向性について研究する「SKYエアロスペース」の坂田公夫所長が基調講演。日本の航空機産業の将来性と中小製造業にとって参入の可能性などについて説明。中小が参入する手段として「産業クラスター」を構築する必要性などを説いた。
(芹澤 康成/2014年11月10日号掲載)
坂田所長によると、今後20年で、世界で500兆円超の新市場が生み出されると予測される航空機産業。日本市場は欧米の大手企業の開発・製造の一部を分担するだけで、わずか2・5%に留まる。
航空機は約300万点におよぶ部品で構成。製造するには、同じ製造業でも幅広い分野から部品・部材を調達している。また、航空機産業は、自動車以上に、厳しい品質基準が求められるとされている。
講演で坂田所長は「日本の中小企業のものづくり技術と品質は極めて高く、航空機産業の基準をクリアできる」と評価した。その一方で、「(中小が単独で参入するには)人材や設備などが不足しており、困難である」とも指摘した。