2027年開業予定のリニア中央新幹線の建設計画が国に認可されたことを受け、JR東日本は4日、中間駅を設置する相模原市緑区橋本で事業説明会を開いた。
4都県で最初の開催ということもあり、住民ら約470人が参加した。安全性の確保や用地補償など、事業や生活への不安や疑念を投げかける質問が相次いだ。
説明は環境影響評価書(神奈川県)に基づいて行われ、事業の意義や県内の施設概要、環境保全の取り組み、用地補償など多岐に及んだ。
約1400立方㍍と見込まれる建設発生土は、そのうち約30%を事業内で再利用。残りは関係自治体と調整し、公共事業などでの有効活用を検討している。
車両やガイドウェイから発生する磁界は、磁気シールドで人体や心臓ペースメーカーなどへの影響がないという。公開測定を行い、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)のガイドラインを大きく下回る数値を証明している。
工事着手までの流れは、市単位の説明会の後、測量や用地取得と並行して国や自治体と設計協議を進めていく。構造物の詳細な設計に基づき、施工会社を決定する。
具体的な施工方法や手順、安全・環境対策は、工事説明会で明らかになるという。
JR東海の安藤陽一・中央新幹線建設部担当部長は「大動脈輸送のプロジェクトが計画から建設へと入る。安全と環境を重視して、早期実現に向けて取り組んでいく」と話した。(2014年11月20日号掲載)