トラックメーカー大手のUDトラックス(旧日産ディーゼル、埼玉県上尾市)は今年、創業者の安達堅造氏による初走行試験から75年目を迎えた。これを記念して先月19日、同社の相模原カスタマーセンター(厚木市上依知)でイベントを開いた。
安達氏は自ら開発したディーゼルトラック1号車に乗り込み、前例のない長距離テストドライブに挑んだ。日本列島の1・5倍に相当する距離で、未舗装・難所の多い当時の道路を走破したが、1本のボルトも折れなかったという。
イベント走行は11月8日から20日まで、75年前の1939年に行った13日間、3000キロメートルにおよぶ野外走行試験を再現したもの。日本初の10トン車となったヒストリック・トラック「6TW」と、最新の大型「クオン」で当時のコースを巡り、全国各地でイベントを開いた。
相模原カスタマーセンターには、来場者と従業員の合わせて約200人が集まった。60年代を思い出し、「あの頃の物流業は大変だった」と当時を懐かしむ来場者もいた。
関東支社の宝井繁夫支社長は、「(同センターを)神奈川のトップ拠点と位置づけている。さらなる設備投資も考えている」と話した。
同センターでは圏央道が開通して以来、整備や修理などの入庫数が10~20%増加。今後の東京五輪やリニア建設なども踏まえ、相模原地域を物流の要衝として期待を持っているという。(芹澤 康成/2014年12月10日号)