「自分の死にどう向き合うか」を考える市民健康教育公開講座がこのほど、杜のホールはしもと(相模原市緑区橋本)で開かれ、市民ら約450人が参加した。終末期医療や訪問医療に携わる専門医を交え、最期まで自分らしく生きるための準備の在り方について考えた。
箕岡真子氏(東京大学大学院客員研究員)は、基調講演で事前指示書「私の四つのお願い」を提案。「あなたの代わりに医療や介護に関する判断をしてほしい人」「望む医療処置・望まない医療処置」など4つの項目で構成されている。
事前指示書とは、重い病気で判断能力を失った場合に備え、自分に代わって判断する人や延命治療の希望などについて決めておくもの。
利点としては「患者の自己決定が最期まで尊重されるだけでなく、家族の心理的負担も軽減され、医療・介護従事者の法的責任を回避する効果もある」と説明した。
相模原協同病院の高野靖悟病院長が座長を務めたパネルディスカッションでは、さがみはらファミリークリニックの箕岡氏をはじめ水上潤哉院長、橋本レディースクリニックの安達英夫院長らがパネリストとして参加した。
相模原協同病院(緑区橋本)が主催。高野病院長は、あいさつの中で「非常に難しい問題を取り上げた。終末医療について考える良い機会となった」と話した。(芹澤 康成/2015年1月1日号掲載)