グッドリバー(相模原市中央区上溝)は閑静な住宅街のなかにある老舗(しにせ)牧場。同社が育てた乳牛がこのほど、品評会にあたる「県乳牛共進会」で経産部門の最高位(農林水産大臣賞)に輝いた。
同社ではここで40頭の乳牛を飼育しており、毎日500キロの牛乳を生産する。
「牛はデリケートな動物。ちょっとしたことで病気になってしまうので、妥協は許されない」(吉川一郎社長)。
グッドリバーは敷地面積1万1000平方メートル。戦後まもない時期に開業した。吉川社長で3代目にあたる。
現在、ここで生産した牛乳は、海老名市内にある大手乳製品メーカー工場に出荷。そして、スーパーなどに並べられる。為替の変動による飼料価格高騰などで、酪農経営を取り巻く環境は良好とはいえない。収益性の悪化で廃業する酪農家も少なくない。しかし、同社では家族以外の従業員は雇わない「家族経営」のスタイルで堅実に成長。今回の受賞に至った。
「牛が好きでなければやっていけない仕事」
吉川社長はそう言い切る。“デリケート”な乳牛を育てるには、飼料と日々の管理がとても重要という。水にもこだわり、すべて「アルカリイオン水」を与えている。
「私も働いているが、牛だって同じ。病気にさせないことが成功の秘訣」(吉川社長)。 (編集委員・千葉龍太/2015年1月10日号掲載)