南区在住の遠藤さん、女流芸術功績で紫綬褒章を受章


創作意欲を欠かさない遠藤さん

創作意欲を欠かさない遠藤さん


 武蔵野美術大学教授の遠藤彰子さん(相模原市南区西大沼在住)が、芸術文化に功績があったとして2014年秋の紫綬褒章を受章した。
 遠藤さんは1947年、東京都中野区で生まれた。武蔵野美術短大で油絵をはじめ、彫刻や陶芸などを学んだ。22歳の時に相模原市へ移住。現在は大学教授として教鞭を振るいながら、自宅アトリエで絵画や彫刻の制作に取り組んでいる。
 相模原に来た50年代半ばは、淵野辺周辺にも手付かずの森林が残されていた。野鳥やノウサギなどの小動物、自然を見た感動を表現した「楽園」シリーズを発表。2007年には芸術選奨文部科学大臣賞を受賞するなど、女流画家の先駆けとして活躍している。
 最近の作品は、1000号(約縦3・3メートル×横5メートル)サイズの「燃ゆる火中花触れあふ」。1月に制作を開始し、900時間をかけて完成させた大作となった。
 神秘的で躍動感ある同作品は、幼い少女と少年を中心に、燃えるような赤い花をはじめ、鳥や動物、植物、水など、「生」に関わるさまざまな要素を描いたもの。生きるということの不条理さを訴えながら、生きることとは“何”なのか問いてくる作品だ。
 遠藤さんは「これから70代、80代と歳をとっていくが、その時々の感性で絵を描くことが楽しみ。絵を描いていきたい。歳を取った自分がどうなるか、未知のものへの楽しみがある」と、色あせない創作意欲を見せる。(2015年1月10日号掲載)

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