負債額10億円、アイワールド破産/3度目の法的整理


 帝国データバンク横浜支店によると、アイワールド(相模原市中央区中央)が横浜地裁相模原支部より破産手続きの開始決定を受けていたことが分かった。
 同支店によると、負債総額は2011年2月末で約10億円だが、変動する可能性もあるという。法的整理は3回目。
 アイワールドは1949年4月に設立された。それまで休眠会社であったものを75年に創業者が買収。大手ディスカウントストアーで勤務した経験を活かして営業を始めた。
 以来、デパートの品ぞろえ、スーパーの買いやすさを目指した店舗運営を展開。最盛期には相模原を中心に計5店舗を持つまでになった。
 しかし、バブル崩壊後の個人消費の低迷、競争激化などで不振に陥り、2002年7月に民事再生の適用を申請した。
 その後、06年1月に再生手続きが終結。営業体制を見直すとともに、テナント店に携わるディベロッパー事業を始め、一時期の年収入は11億円以上に達した。
 ただ、大手同業者が近隣地域に進出したことや消費低迷により、営業段階から3期連続の赤字になるなど、再び苦戦を強いられていた。
 13年5月には横浜地裁相模原支部に民事再生を再度申請。以降、投資ファンドの下で事業再生に取り組んでいたが、業況回復の展望が描けず、今回の措置となった。
 現在、中央区にあった「アイワールド」の看板はすでに店舗から撤去されているほか、近くに設置されている神奈川中央交通のバス停も「アイワールド前」から「グッディプレイス前」に変更されている。
 (編集委員・千葉龍太、本橋幸弦/2015年3月20日号掲載)

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