SIC、燃料電池で共同体設立/3カ年で実用化を目指す


 さがみはら産業創造センター(SIC、相模原市緑区西橋本)は、「SIC水素・燃料電池コンソーシアム」を設立。市内中小など4社1大学が参加し、高品質・低価格な水素・燃料電池システムの開発などを目指す。
 同プロジェクトは、「ものづくり提携支援事業」(全国中小企業団体中央会)の採択を受けた。2015~17年度の3カ年で、実用化まで漕ぎ着ける。
 同コンソーシアムが開発を進める「小型可搬型高純度低圧水素供給システム」は、水を電気分解して水素を発生する仕組み。太陽光発電や風力発電で生じる余剰エネルギーなどを有効利用する。
 最終的には、水素生成と発電の両機能を持つ「リバーシブル燃料電池システム」を開発する。水素発生量が毎時約60リットル、発電量約100ワットで、一人で持ち運べる重さ・大きさを想定している。
 市場は災害・非常時のほか、山間部の携帯電話基地局などを見込む。価格も従来の家庭用燃料電池(約160万円)よりも低く設定し、行政から個人まで、広範囲な市場獲得を視野に入れる。
 水素・燃料電池産業への参入には、専門的な知識と技術が求められる。実用化までに、電極触媒や電解質といった材料の低コスト化、信頼性の確保など課題も残る。
 SICの永井直文プロジェクトリーダーは「世界にリードできる技術だ。中小企業が連携して、大手企業に売り込める技術を蓄積したい」と話していた。
(2015年4月10日号掲載)

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