相模原市緑区在住の戸澤淳さんは脱サラし、ベーグルの専門店「藤野ベーグル工房」を約2年半前に同市緑区日連で開いた。藤野など市内産の旬の素材を取り入れ、体にやさしい商品を提供している。
戸澤さんは、家庭向け食品宅配サービス会社の営業をしていた。リーマンショックで客単価が伸び悩み、会社の業績も悪化。人情のある事業をはじめようと、退職を決意したという。
ベーグルを選んだ理由は、専門店の競合が少ないこと。作り方や経営のノウハウはSNSがきっかけで知り合った知人から習った。
人気は、津久井地区の特産品クリを使った「美っ栗(びっくり)ベーグル」だ。渋皮ごと煮る「渋皮煮」はアクが抜けるまで何度も煮こぼす。調理に手間暇がかかるが、食物繊維が多く含まれ健康にもいいという。
戸澤さんのベーグルは、藤野や津久井などの野菜や果実を中心に使用。「地元のものや国産品を使いたい」と、相模原市に近い地域から旬の素材を集めている。
価格は1個200円。3種類を味わえる3個セットは500円から。相模原市役所やカフェ「金花茶」(同市中央区相模原)、藤野駅前の農産物直売所、配達などで販売している。
戸澤さんは「藤野や津久井は、安全でおいしいものが多くある。環境のよい所へ足を運んでほしい」と呼び掛けている。
(2015年5月1日号掲載)