疲労回復ウェアを製造する「ベネクス」(厚木市旭町)は、日本政策金融公庫から無担保・無保証で1・5億円の融資を受けた。1億円を国内の販売促進に、5千万円を欧州での販売拠点となるドイツ支社の資本金などに充てる。
休養時専用の「リカバリーウェア」は、鉱物を練り込んだ特殊素材(PHT)を使用する。繊維中の粒子状のプラチナなどが発する微弱な電磁波が、副交感神経に作用。血管の拡張や筋肉の弛緩(しかん)を促し、疲労の回復効果や安眠に期待できるという。
「運動中に着てはいけないスポーツウェア」というコンセプトが示す通り、休息時や睡眠時に着用するもの。スポーツや介護分野などで販売拡大が期待されている。
同社の中村太一社長は、大学卒業後に経験した介護の現場で、寝たきりの高齢者の「床ずれ」に悩まされていた。血行障害を改善効果が見込まれる介護マットを考案。この技術が、ウェアの下地になっている。
今回の融資は、資本性ローンから注入されたもの。創業・新事業や海外での事業展開に取り込み、地域経済の活性化に貢献する中小企業者の財務体質強化が狙い。金融検査上、自己資本とみなされるなどの特徴がある。
中村太一代表取締役は「世界中で“リカバリー”のマーケットをつくりたい」と意気込んでいる。(2015年5月20日号掲載)