神奈川トヨタ自動車、「ミライ」登場/大磯町で初の試乗会


量産型燃料電池車「ミライ」

量産型燃料電池車「ミライ」

 世界初の量産型燃料電池車、トヨタ「ミライ」の試乗会がこのほど、大磯町で行われた。究極のエコカーとして期待される一方、「水素タンクの生産性」という課題も明らかになった。 
 同車種は、タンクから供給される水素と、空気中の酸素を反応させて生じる電気でモーターを駆動させる。
 二酸化炭素を一切排出せず、水だけを発生。3分間で5キログラムの水素タンクを充てんし、最大約650キロメートルを走行できるという。
 ミライはセダン4人乗りタイプで、3リットルV6エンジン車と同等の走行性能。700気圧の高圧水素タンクは、核となるプラスチックライナーに、炭素繊維強化プラスチックとガラス繊維強化プラスチックで耐圧強度を増した3層構造。
 一つひとつが手作業で製造されるため、生産数が少なく高価格になっている。
 2014年12月の国内発売から今年末までの生産台数は、輸出分も含めて約700台(1日平均3台)。
 県内では約200台の受注があり(5月末現在)、納車の遅れが懸念されているという。
 相模原市の「水素エネルギー普及促進ビジョン」では、燃料電池車を公用車として導入する計画も盛り込まれた。定置式水素ステーションの運営事業者への暫定的な供給場所の提供も、1件が決まっている。
 試乗会は神奈川トヨタ自動車(横浜市神奈川区)が主催。交通事業者や部品メーカーなど約80人が参加し、乗り心地や操作性を試した。  (2015年6月10日号掲載)

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