ブルー・スターR&D(相模原市中央区横山台)の超音波バリ取り洗浄装置が、第27回中小企業優秀新技術・新製品賞で「優秀賞」に選ばれた。受賞後の受注数が増加し、市内企業との連携も検討している。
同装置は、超音波で汚れを除去する超音波洗浄装置を発展させたもの。水中で強力な超音波を発生させ、直径約6㍉㍍の球状キャビティー(真空の泡)でバリを除去。微小なバリの除去時間が短縮され、人件費の削減にも貢献している。
バリは、金属やプラスチックなどの加工後に残る不要な突起など。手作業で取り除くことも多く、人件費の安い海外に移転する原因の一つになっていた。
主な取引先は、自動車部品や電化製品などの製造業。スマートフォン(多機能携帯端末)の普及で、中国や韓国など海外の需要も伸びている。
主力製品の「PERION(ペリオン)―DB」は、月間販売台数が3台だったが、受賞後5台に増加。全自動型の「VEGA(ベガ)―DB」も年間10台以上の生産を見越している。
同社は増産に対応するため、相模原市内の金属加工業との提携を進めている。また、相模原市および周辺自治体に立地する工場の取得、製造業との生産提携なども検討しているという。
同社がエントリーした「一般部門」では、279件の応募があり、37件が受賞。そのうち13件が優秀賞に選ばれた。
審査のポイントは「優秀性」「独創性」「市場性」の3つの観点が基本。「中小企業らしさ」「環境に対する配慮」「社会的有用性」といった多様な観点も考慮したという。
柴野佳英会長は「科学専門誌の『サイエンス』『ネイチャー』への掲載を目指す」と意気込む。「バリ取りが自動化できたことで、人件費で海外に負けなくなった」と話していた。(芹澤 康成/2015年6月20日号掲載)