カキで地域と被災地を活気(かっき)づけたい―。今年4月、「かき小屋大晴丸」(相模原市緑区寸沢嵐)がオープンした。相模湖周辺の山中で、新鮮な焼きガキを提供している。
運営するナショナルトータルビバレッジの山口弘一社長は、「周辺に飲食店がない。話題性のある店で地元を活気づけたい」と話す。
きっかけは「カキで(東日本大震災の)被災地復興」という記事を読んだこと。カキ販売会社アイリンク(仙台市)の齋藤浩昭社長に面会。同社のプロジェクトに参加するため、2日間の店舗研修に挑んだ。
開業場所は、自社に隣接する未利用地。金融機関から融資を断られ、津久井青年会議所に所属する仲間の手助けで小屋を建てた。投資額は約600万円という。
メーンメニューのカキは、宮城県三陸産から直送。1個200円、1キログラム(約6~12個)1500円で提供している。
宮城産のカキは、深層の冷たい水で育つ。産卵期が遅く、秋ごろまで食べられるという。
山口社長は「新鮮でヘルシーなカキは、幅広い世代におすすめ。家族ですごしやすい店をつくっていきたい」と話していた。(芹澤 康成/2015年6月20日号掲載)