日刊 相模経済新聞
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2月18日 月曜日
[ 早川銘板
本社工場を増強 排水処理システム導入
早川銘板製作所は、相模原市中央区田名にある本社工場を増強した。数千万円を投じ、工場の排水処理システムを導入した。「エッチング」などの銘板製作では、水の使用が欠かせない。工場では排水処理が不可欠となるが、従来装置だと時間がかかり、生産効率にも響いていた。増強後は、処理時間が大幅に短縮。生産効率も3割ほど高まったという。
(千葉 龍太)
生産効率高まる
早川銘板は、金属ネームプレートや食品などの表示ラベルなどを手掛けている。なかでも「エッチング」による銘板製作を得意技術としている。エッチングは、ステンレスなどの素材に対し、化学薬品の腐食作用を利用した塑形、表面加工する技術。 早川正彦社長は「エッチングを手掛けている同業者は、市内では当社のみ」としている。ただエッチングの際は、薬品とともに水も必要になってくる。 そのため、工場では設備の稼動に合わせ、絶えず排水処理も行わなければならない。「工場の稼動がどんなに忙しくても、排水処理が間に合わなければ、一度生産をストップしなければならない」(早川社長)という課題を抱えていた。今回、同社では工場内の排水処理システムを一新。排水を高分子の凝集剤を使って処理する化学処理に切り替えた。 新システムの導入により、1時間あたり10トンの排水処理が可能になった。従来の半分の時間という。生産効率が高まったことで、社員の残業時間も大幅に減ったとしている。 なお、早川銘板のエッチング処理を使った製品は、プレス機械や航空機業界など広く使われている。
増強した設備について説明する早川社長
− 2月 10日号掲載記事より−
2月19日 火曜日
[ 相模原や藤沢の企業 ]
「笑う会社の研究会」
脱下請け目指し発足
相模原や藤沢の中小企業が中心となり脱下請け≠目指して、売れる商品づくりや経営システムなどを研究する組織が2月下旬に結成される。その名も「笑う会社の創り方研究会」。下請けからメーカーへと脱皮した中小企業の事例を検証しながら、自社の経営に役立てるという。 (千葉 龍太)
需要の作り方など研究
参加するのは、相模原市南区大野台でEMS(電子機器受託製造サービス)を行うフェイス、分析装置メーカーのバイオクロマト(藤沢市)、ウェブ制作を手掛ける、ともクリエーションズ(横浜市中区)など。
初回は2月19日午後6時30分から横浜市中区の「さくらワークス」内で開催する予定。その後は月1回程度集まる。参加企業は40社程度を想定。
研究会では、半導体製造装置の下請け企業からメーカーへと変ぼうを遂げたバイオクロマトの木下一真社長が代表に就任する。
木下社長は、2008年の米リーマンショック後、落ち込む売り上げを目の当たりにして経営改革を決断。自社商品「揮発防止フィルム」などを開発し、わずか数年で国内の大手製薬会社なら、ほとんどの企業に納入するまでにした。
研究会では、こうした経験を参考に、「自社商品をつくる場合の需要の作り方・見つけ方」や「失敗しない人材採用」、「効果的な人事管理」などをテーマに設定する。
木下社長は「参加企業がノウハウを共有することで、先が読め、将来が見通せる経営を進めていきたい」と話していた。
問い合わせはバイオクロマト0466(23)8382まで。
バイオクロマトの木下社長
− 2月 10日号掲載記事より−
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