南関東防衛局が在日米陸軍相模総合補給廠(しょう)の一部返還地(15ヘクタール)の土壌調査を行った結果、最大で基準値の約15倍の「鉛および鉛化合物」を検出したことが分かった。
昨年8月からことし3月にかけて調査を行ったところ、12地点で基準値である土壌1キログラム当たり150ミリグラム以下を超える、220~最大2300ミリグラムの鉛および鉛化合物を検出した。区画の一部は、日本陸軍が製造した戦車や砲弾などを保管。米陸軍による接収後は、修理が必要な軍用車両を野積みしていた。
調査は、土地の利用履歴などを踏まえ、第二種特定有害物質(鉛や水銀など9項目)と第三種特定有害物質(ポリ塩化ビニフェル)を対象として実施。ほかの対象物資はすべての土壌で、基準に適合した。
基準不適合区画では、人への暴露防止と飛散防止のため、ロープで囲い土壌表面をシートで覆う工事を行った。市は「適切な措置を講じているため、周辺への健康被害が及ぶ可能性は低い」と説明している。
今回の調査では、汚染区域の深度を確認できなかった。同局が示した計画によると、年度内にボーリング調査など詳細な調査を行うという。(2016年4月10日号掲載)