NECエナジー、通信基地局向け新電池/小型軽量で30億目指す


リチウムイオン電池パック「MHA4-3612」

リチウムイオン電池パック「MHA4-3612」



NECエナジーデバイス(相模原市中央区下九沢)は、通信基地局や小型電源などに適したリチウムイオン電池パック「MHA4―3612」を販売した。一般的な鉛蓄電池と比較して、小型かつ軽量で、長寿命が特徴。今後3年間で売上げ30億円を目指す。

新しい電池パックは通信機設備などで主流の48ボルト電圧に対応し、多様な電源システムに使用できる。19㌅の棚に最大16台まで並列に接続し、容量の拡張が可能。高機能バッテリーマネージメントユニットにより、リアルタイムで状態管理や保護を行う。

放電時の使用温度範囲がマイナス20度から60度と広いため、寒冷地を含めたさまざまな環境に適用が可能。鉛電池に比べて充電速度が速く、短時間での繰り返し使うことができる。

リチウムイオン電池の正極にEV(電気自動車)で使用実績のあるマンガン系材料を採用。期待寿命は停電時のバックアップ用途で10年間、サイクル用途で4千サイクルを実現した。

モバイルキャリア市場は、MVNO(仮想移動体通信事業者)やIoT(モノのインターネット)を牽引役として、2019年度で約2億件まで増加すると予想されている。

20年の商用化を目指す第5世代移動体通信システムの基地局は、従来の大型基地局のほか、小型基地局の設置も見込まれる。使用されるバックアップ電源や無停電電源装置用の電池は、従来の鉛蓄電池から省スペース化できるリチウムイオン電池へ移行が加速しているという。
(2017年3月20日号掲載)

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