国税庁のコンクール「税についての作文」で税務署長賞を受賞した相模原市内の中学生2人が12月20日、相模原税務署(中央区富士見6)の「一日税務署長」に委嘱された。生活の安全や公共施設の維持管理などに税金が充てられていることを理解し、納税の重要性を訴える内容の作文を書いたことが評価された。
一日署長を務めたのは、市立内出中学校3年の山田紅芭(くれは)さん、東海大学付属相模原高校中等部3年の松岡愛実さん。幹部職員や相模原税務署管内納税貯蓄組合連合会の役員らが見守る中、関根博署長から委任状や名刺などを手渡された。
2人は署長室の椅子に座り、署員が差し出す書類の決裁業務を体験。その後、署員の案内で署内を視察し、各部署の業務の説明を受けながら税務署の仕事や税金について理解を深めた。
山田さんは、教科書が税によって無償で支給されていることを知り、税について調べて「税と夢」との作文を書いた。「きれいな教科書を使えることが当たり前」と思っていたというが、税の仕組みを学ぶことで「いろいろな人に支えられて勉強できている」との考えに至った。
「税の重要性」とのタイトルで書いた松岡さんは、消費税増税で税に興味を持ち、作文を書く中で税の重要性を知った。「一人ひとりが税について学ぶことが、より良い社会制度をつくる上で大切」などと訴えた。
税についての作文は、税についての正しい理解と関心を持ってもらおうと、毎年中高生を対象に作文を募集し、優秀作品の表彰を行っている。ことしは全国の7464校から57万8204編が寄せられた。
【2020年1月1日号】