「さぁ、世界を会議室に」「あなたのアイデア今すぐ買います」│。相模原市中央区中央で肉割烹「英」を経営する加藤雄己代表(31)はこのほど、新規事業としてビジネスアイデアをマッチングするプラットフォーム「ISHIN(維新)project」を立ち上げた。
経営課題を抱える企業とネットユーザーを結び、アイデアを資源化する新しい試み。加藤代表は「ユーザーから集めたアイデアを企業に納品する、企業のブレインストーミングの代行サービス」と説明する。
企業側は抱える課題について「集めたいアイデア」をサイトに登録。それを見たユーザーが自分の考えるアイデアを提案すると、1件に付き100円のコインで買い取られる。また、企業にアイデアが採用されると賞金のコインが支給される。貯まったコインは換金でき、アイデアがお金に変わる。企業には100件単位でアイデアが納品される。
企業の登録料は、基本アイデア100件で3万8000円(税抜)。相模原市近隣の企業であれば割引可能という。
2019年5月にスタートし、「旅館の新しいサービス」「タクシーを利用したくなるサービス」など、これまで8件の企業のアイデアを募集した。
加藤代表は飲食店を経営する中で、「来店する経営者らが抱える課題をどうにか解決できないか」と考え、同プロジェクトを発案したという。
加藤代表は「当面は認知度を上げることが課題。まずは地元の企業に気軽に利用して欲しい」と呼び掛けている。
また、実現可能性の高い質のよいアイデアを提供するため、登録ユーザーの質にもこだわりながら、利用者の拡大を目指している。
加藤代表は「オンラインで世界を1つの会議室にできる時代。さまざまな人のアイデアで、企業の経営課題に新しい風を届けたい。知恵を集めるプラットフォームに成長したい」と意気込む。
【2020年1月1日号】