令和元(2019)年度かながわ地球環境賞の受賞者が1月28日に発表され、相模原市内から4企業・事業所が地球温暖化部門やかながわスマートエネルギー計画部門に選ばれた。
和・洋食レストランやケータリングのア・ドマニー(中央区相模原)と金型用部材加工のコーワ機械(同区田名塩田1)は、事業活動に伴い排出される温室効果ガスの削減への取組が評価され「地球温暖化対策部門」に選ばれた。省エネ推進企業として環境活動方針を掲げ、全社員へ省エネ活動、省エネ対策の取組実績を共有して意識の向上を図り、全社員の積極的な省エネ活動を促している。
両社はデマンドによる電気使用量の管理を行うとともに、高効率空調・高効率照明設備に更新。また、省エネ診断の受診、相模原市への地球温暖化対策計画書の提出など、省エネ及び温室効果ガスの削減に積極的に取り組んでいる。社員への研修・指導で環境への意識が向上し、各家庭においても節電の取組が広がっている。
同部門では、精密板金加工品を製作するユウキ工業(同区下九沢)も受賞し、07年にエコアクション21認証を取得して以来、CO2の削減、廃棄物や水使用量の削減、環境整備活動を行うなど、継続的に地球温暖化対策に取り組んでいる。18年に全照明をLED化したほか、最新の製造加工機への入れ替えや、休憩時間のOA機器遮断、機械設備の自主点検を定期的に実施。エコドライブの実施に加え、通勤手段の自転車や公共機関利用の推進を行っている。また、環境に配慮した製品づくりを他の事業者に周知するなど、省エネの取組の他者への波及にも努めている。
かながわスマートエネルギー計画部門では、東急建設技術研究所(同区田名)が完成から25年経過した管理研究棟の外壁を外断熱化し、高効率機器やBEMS(ビルエネルギー管理システム)を導入するなど、ZEB(ゼロエネルギービル)化を目指していることで受賞。太陽熱、地中熱、燃料電池の排熱を空調・給湯熱源に利用するほか、自立型水素エネルギー供給システムにより太陽光発電の発電量に応じて水素を製造するなど、先進的な取組を行っている。
表彰式は3日午後1時から、県庁本庁舎3階大会議場で行う。黒岩祐治知事から各社の代表に表彰状が授与される予定。
「地球環境保全活動」「地球温暖化対策」「かながわスマートエネルギー計画」の3部門では、一般公募で応募があった計19件と県が推薦した6事業者が候補となった。2019年11月29日に開かれたかながわ地球環境賞審査委員会の審査を経て、計16企業・事業者を受賞者として決定。今年度から中小規模事業者における地球温暖化対策の取組を新たに対象に加えた。
【相模経済新聞2月10日号掲載】