桜美林大学(町田市常磐町)は、2023年4月に新たな学群「教育探究科学群(仮称)」の開設を目指し、設置を構想している。JR淵野辺駅北口のプラネット淵野辺キャンパス(PFC)=相模原市中央区淵野辺4=内に開設し、入学定員は150人となる予定。1年度は4期制で柔軟に学修計画を変化させて、成長サイクルを積み重ねる仕組み。同学初の教育学分野の学群設置であり、「探究」を学群名に冠した日本初の取り組み(同大学)となる。
同学群は教員養成ではなく、教育学を土台として探究型のカリキュラムを構築し、学びの場を提供する。教育学は本来的にはよりよく生きようとする人間の成長や、 平和で豊かな社会のあり方を研究対象とする学問であり、教員養成にとどまらない。
新たな学群は①好奇心から始まるゼミ②未知を探究するフィールドワーク③学術で掘り下げるリサーチメソッド④ブレイクスルーするクオーター(年4期)制⑤「教えて、学ぶ」ピアラーニング―の5つの特徴がある。国内外を問わないフィールドワークもその一つで、高度なリサーチ・スキルや論証法、分析研究などのリサーチメソッドを学術的・体系的に身につけることができる。
同大学は「未来が不確実な時代だと言われさまざまな問題に直面している時代だからこそ、 その時々の最適解を仲間とともに探せる人材が社会で求められており、 新しいことを主体的に学ぶ自己変革力を持った人材を育成していく」としている。
教育学は、哲学、歴史、社会・文化、心理、法学、経済学、工学などの諸学を基礎とし、さまざまな応用的研究がなされてきた学際的な学問分野。教育学的視点と学術に裏打ちされた高度なリサーチ手法に、より実践的なカリキュラムをかけあわせた主体性が求められる学びの場を創る。
その豊かな知見に基づき、同学群で行う教育活動は、学生個人が自らの在り方や生き方を考えながら、教育学の範ちゅうにおける人間的、社会的な諸課題を発見。学術的な探究の方法によって、問題や課題を解決していく知識や技能を修得することを目的としている。
学群名の「探究」については「教育から学修へ、受動から能動へという学びの質的転換を、実際に機能させるための核となる概念」と説明している。アクティブラーニングやPBLなどに代表される積極的な発信や主体的な学修活動も「探究」の一部だという。「探究」と名のつく科目が多数新設され、 学習内容やその指導方法に注目が集まり、 日本の教育を大きく変えようとしている。
高等教育においては「高度なリサーチ・スキルや論証法、分析研究などが基盤となっている。探究と学術の組み合わせは、 高等教育におけるこれからの人材育成のための有効な手法である」との考えを示した。
社会調査士、 社会教育士を取得できる。卒業後の進路としては経営・人材コンサルティング業界、マーケティングリサーチ業界、 教育業界を想定し、同学群で身につく経験に裏打ちされた主体性とデータリテラシースキルは幅広い進路で役立つとみている。大学院進学でさらに高度なスキルや視座を得ることも推奨している。