「橋本商店街の味をご自宅で」/弁当の路上販売「はしべん」3月末まで


「お店の味をご家庭で!」「おうち時間を贅沢(ぜいたく)に!」。相模原市の橋本商店街(緑区橋本)の飲食業が連携して、橋本駅北口ロータリー(交番近く)で弁当を販売する取り組み「はしべん」が12日から始まった。営業時間は午前11時から午後2時までで、日程は3月末まで。【2021年2月20日号】

はしべん 初日は駅前に店を構えるイタリア料理「サンタフエゴ」が出品。シーフードをサフランと一緒に炊き込んだ米料理「パエリア」と、赤ワインの程よい酸味が効いたデミグラスソースの「和牛のハンバーグ」を弁当に詰め込んだ。通りがかりの主婦や近隣の職場に勤めるサラリーマンなどに好評で、用意した50食を1時間足らずで完売した。

同店関係者は「よころこんで買っていただけると、今後も続けていきたいと思う。街のイベントには協力していく構えで、何でも挑戦していこうと参加した」と話す。

商店街の飲食店から10店舗以上が参加する予定。「毎日違う店が出店することで、きょうはどこの店かなという楽しみにしてほしい」(滝柳さん)と、1日1~2店舗が日替わりで出店。今後の手ごたえ次第で出店数を増やすほか、営業時間を追加しておかずや酒肴となる総菜の取り扱いも検討する。

イベントを担当する滝柳遊さん(つきよ社長)は「夜間しか営業していなかった飲食店がランチ営業も始めるケースはあるが、時短営業で減っている売り上げを補てんしきれない」と指摘。手ごたえについて「初日にしては上々。予想以上の売れ行きで始めて良かったという実感」と話した。

「交通機関や商業施設の利用者などの通り道で、人通りが多いため選んだ。ペデストリアンデッキ上では人目に付くので、お客さんも人目をはばかって買いづらいはず」と、デッキから下りた北口ロータリーを会場に選んだ。

相模原市緑区は、コロナ禍の売り上げ減に苦しむ飲食店の支援策として、路上販売の場所の確保に協力。新型コロナウイルス感染症の影響を受ける飲食店などの路上利用について、市などが一括して占用許可の申請をすると、道路占用の許可基準が緩和される制度を利用したもの。

普段も地元の飲食店を利用しているという中島伸幸区長は、会場を視察し「飲食店は厳しい状況に置かれているが、事業を継続していきたいという気持ちが強い。緑区では橋本がもっとも大きな繁華街なので相談したところ、盛り上げていきたいという思いがひしひしと伝わってくるので全力でサポートしたい」と話していた。

同商店街は1月12~14日に独自イベント「新年はしご酒」を予定していたが、年明けに1都3県(埼玉、千葉、神奈川)を対象に緊急事態宣言が発令されたこと受け、「健康・安全面を第一に考慮し、これ以上の感染拡大を防ぐため」にと延期を決断していた。

購入した30代男性は「価格は800円と近場の量販店が販売する弁当の平均価格の倍近い額だが、プロが手作りした味に惹かれた。時短で夜の営業時間に間に合わない場合もあるので、ランチでプチぜいたくできるのはうれしい」と話した。

 

 

 

 

 

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