物流施設の開発・運営を手掛ける日本GLPは8日、相模原市中央区田名(キャタピラージャパン相模事業所跡地)で開発を進めていた「GLP ALFALINK(アルファリンク)相模原」の全4棟(総延べ床68万4千平方㍍)が完成し、5月末に完成したマルチテナント型施設「アルファリンク相模原2」(地上6階、延べ床9万平方㍍)などを報道陣に公開した。将来的にそれぞれの棟を投資ファンドに売却する見込みで、4棟と連絡通路でつながる共用棟「リング」は相模原1に付属する。総投資額は1500億円を超える。【2023年6月12日号掲載】
あいさつに立った帖佐義之社長は同施設の3つのコンセプトの中で「いちばん重要」という「オープンハブ」について、「物流業界のイメージを払しょくするために、地域住民に開放し生活の一部として取り込んでいただいた」と説明。「想定していたものを超えて、新たな展開が繰り広げられている。物流施設の新たなスタンダードになるのでは」と期待する。
4棟目となる相模原2では、入居企業の要望に応じて、従業員が不在の時にも荷物を積み降ろしできる「置き配バース」を導入。荷受け・荷待ち時間を短縮することで、トラック待機問題の解消、輸送コストの削減と効率化を促進する。
1棟目の「同1」(同型、同約33万平方㍍)が2021年8月に完成して以来、「同3」(BTS型、同約10万平方㍍)が同10月、「同4」(同型、同約15万平方㍍)が22年11月に完成。市内の総合物流業ギオン(中央区南橋本)のほか、大手物流業や大手ECサイト運営業など約40社が入居。約5千人が就業し、1日にトラック約2千台が出入りする。
同社が約29万5千平方㍍の用地を取得したのは16年12月。施設は国道129号田名赤坂交差点に面する。圏央道相模原愛川インターチェンジから約4・3㌔に立地し、新東名の開通を見込み中部や関西とのネットワーク構築を狙って開発を進めてきた。
当初の計画から3年近く前倒しとなった同施設の全棟完成について、帖佐社長は「満足している。100満点」と自己評価する。施設の完成までに10年、それから入居者募集に数年を見込んでいた。
同施設はターミナル機能を有しており、入居企業はターミナルを利用することで荷物の出荷・集荷の効率化が可能。物流施設として活用のほか、工場用途や研修施設、冷凍冷蔵倉庫、オフィスとしての利用もある。また、入居企業同士の交流の場を定期的に設け、ビジネス上での課題やニーズを共有し、企業同士のビジネスマッチングを促す共創の場を提供している。
運営を共に考えるカスタマー連絡協議会を定期的に開催するほか、物流事業の人材育成という同じ課題を持つカスタマーを対象に研修や交流会を実施。多種多様な外部パートナーネットワークと連携し、カスタマーが抱える物流課題の解決に向けた新しい物流ソリューションを提供する機会を積極的に設けている。