県は2日、神奈川が誇る中小企業のオンリーワン技術を決める「工業技術開発大賞」で、向洋技研(相模原市中央区田名)が開発した高速溶接技術を大賞に選出したと発表した。ビジネス賞には、リガルジョイント(同市南区大野台)が開発した「小型冷却器」などが選ばれた。応募63件中、計7社の製品・技術を決定。このうちの2社は相模原の市内企業となった。(千葉 龍太)
工業技術開発大賞は、県内に事業がある中堅・中小企業などの新技術、新製品が対象。
実際に製品化されているものや効果が実証されていることなども条件となっている。毎年行っており、今年で30回目になる。
応募されたうち▽特に優れていると認められる技術に贈られる「大賞」(2件以内)▽企業化の状況が特に優れた「ビジネス賞」(同)▽優れていると認められた「奨励賞」(3件以内)を決める。
学識経験者や各分野の専門家で構成される選考委員会で決定する。
今回、対象に選ばれた向洋技研が開発したのは「高速溶接を可能にした操作性に優れたテーブルスポット溶接機」。
自動車の車体など、鋼板の接合に用いられるスポット溶接機で、同社では従来の10分の1程度の時間で溶接できる技術を確立。実際の装置に組み込んだ。
溶接時間が短くなったため、消費電力の削減や作業時間の大幅短縮などが見込めるとしており、すでに販売を始めている。
一方、ビジネス賞に選ばれたリガルジョイントの小型冷却器は、家庭用の燃料電池システムで、高温の水素ガスを効率よく冷却するもの。
同製品は9月の「かながわ産業Navi大賞」で優秀賞にも選ばれている。(2013年10月10日号掲載)