奥相模の豊かな自然、歴史伝承などを描いた「奥さがみ道志・桂川 散策絵図」を観光振興に尽力する相模原商工会議所副会頭で北辰企業社長の原幹朗さんが、構想から3年ほどかけて2024年に自費で企画制作した。都県や市町村を超えた広域観光の実現を目指した鳥観図で、さまざまな歴史伝承が描かれている。市民が地元の郷土史を知らずに、広域観光は不可能である。「市民が知らない奥相模歴史秘話」と題して、同地域に伝わる歴史伝承について連載していく。今号からは相模原市とも深い関係のある「雛鶴(ひなづる)姫伝説」について歴史伝承を探った。【2025年1月1日号掲載】
■2つの雛鶴神社
山梨県上野原市と同県都留市の市境に雛鶴峠がある。峠の都留市側に山梨リニア実験線の車両基地が置かれている。この峠を東西に挟むように上野原市側と都留市側に2カ所の雛鶴神社が鎮座する。
上野原市側の雛鶴神社の社伝には「雛鶴神社は秋山村無生野(現上野原市秋山無生野)にあり、大塔宮護良(だいとうのみや・もりよし)親王の妃・雛鶴姫を祀る(1989年10月 本殿、拝殿再建)」とある。









